『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』佐々涼子
本ときどき映画
本読みの編集者Tさんのおすすめ。
3.11で壊滅的な被害を受けた製紙工場の
再生を追ったノンフィクションだ。
私も著者と同じく、震災直後、
仕事先の出版社で「紙がない」と聞いて
本や雑誌の紙が東北でつくられていることを知った。
日本の出版用紙の4割を日本製紙が生産しており、
その基幹工場が被災した石巻工場だという。
もし石巻工場の復興がなかったら
紙の供給はなくなり、本も雑誌もつくれず、
出版業界の低迷は加速度を増しただろうし、
私も仕事を失っていたかもしれない。
長年お世話になっている紙が
どこで、どうやってつくられているか、
これまで知らずにいたのは恥ずかしいけれど
いま知ってよかった。
出版用紙を再びつくってくださった方々、
本当にありがとうございます。
本書は震災時の記録としても一読の価値がある。
報道されていない事柄にも触れられていて、
これもいま知ってよかったと思う。
■『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』
佐々涼子 著(早川書房)
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