北海道でサケの人生を考える
国内旅行
先々々週の10月半ば、
取材でアイヌの集落、二風谷(にぶたに)へ。
二風谷は新千歳空港から車で1時間半ほど。
沙流川(さるがわ)沿いにあり、
人口の7割以上をアイヌが占める。
短い取材の間に10人以上の
アイヌ、非アイヌの方々に話を聞き、
あーもー半世紀も生きているのに
知らないことが多いなあ、とつくづく。
取材はためになります。
それはさておき、
同行のカメラマンさんが
サケの遡上を見つけたというので、
眺めようとついて行った。
沙流川生まれのサケは
海で数年を過ごした後、
また沙流川へ戻ってくる。
沙流川を遡り、
ダムの魚道を遡り、
……やっと生まれ故郷に戻ってきたと思ったら
こんなコンクリートの狭いとこを通るのかよ!
痛てーよ! と悪態をつきながら、
(サケの気持ちを代弁)
生まれた支流へ入って、さらに遡る。
いた!
最後の力を振り絞って産卵するサケ。
流されないようにがんばっているけれど
もうほとんど力がない。
命尽きたサケもあちこちに横たわっている。
ときどきバシャッとしぶきが上がるのは
メス同士のバトルらしい。
子孫を残すために死ぬ直前まで戦うのか…。
サケの人生はシビアなのだ。
ついでに、食事処の箸袋にもサケの遡上。
ところで、実家(水戸)の両親に
サケの遡上を見て感動した話をしたら、
桜川あたりでも上るよーと
父がこともなげに言うので軽く驚いた。
桜川というのは近所を流れる川で
子供の頃の遊び場で、通学路でもあった。
私がぼんやりした子供で気づかなかったのか
または父がボケてしまったのか…。
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