『花摘む人』玉村豊男

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本ときどき映画

すでに40代後半だった著者が
ワイナリーをつくるまでの物語。

 

新規参入を応援しているとは
とても思えない、農地法や酒税法。
2004年の出版だから
少しは改善しているのだろうか。

ぶどうの搾りかすでグラッパを作ろうと
伝統の作り方を教わりにイタリアまで行ったり。
おいしいシードルを作るための
搾汁器を職人に作ってもらったり。
(酒税免許をとるのに義務付けられた
生産量をクリアするため)

ワインづくりだけでなく
ひとつひとつがきちんとしていて、
おいしいものを届けたいという
熱意が伝わってくる。

結果、オープンから13年経ったいま
ヴィラデストのワインは
高い評価を受けているようだ。
(私は飲んだことがないけれど)

 

このところ国産ワインに関する本を
何冊か読んでいるなかで、
読み物としていちばん面白かった。
筆力(と編集力)なんだろうなあ。

巻末に付いている
「ヴィラデストワイナリー設立趣意書」
も素晴らしい。
企画書はこうでなきゃ!

 

■『花摘む人』
玉村豊男 著(新潮社)

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さとまる

トラベルライター&エディター。
1965年生まれ、東京在住。
出版社勤務ののち独立して、Sawa-Sawaの屋号で旅行メディアの仕事をしています。

旅行はいつどこへ誰と行っても楽しく、弾丸よりも長く行きたい派。とくに東南アジアや沖縄の高温多湿な気候とボーダーレスな雰囲気が好きです。温泉&ビール付き日帰りハイキングもお気に入り。

2019年4月にブログをリニューアルしました。ときどき覗いてみてくださいね。
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