『海辺の生と死』島尾ミホ

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本ときどき映画

奄美大島の南にある島
加計呂麻島で生まれ育った島尾ミホが、
母から聞かされた昔の話や
子どもの頃の思い出を綴っている。

奄美大島滞在中に読んでみた。

 

たった80年前、90年前のことなのに
その情景はおとぎ話みたいで、
島の人も旅の人も、現代の私たちとは
違う世界、違う時間を
生きているように感じる。

 

後半は、震洋特攻隊の隊長で
のちに夫となる島尾敏雄への
恋情とその心の動きを軸に、
終戦前夜の出来事が語られる。

 

出撃するはずだった特攻隊と
集団自決を覚悟した島民たちは、
終戦によって生きのびた。

人々が望まない戦争によって
生と死に向き合わざるを得ない、
その状況がどういうことなのか、
私にはなかなか想像できなくて
もどかしくもある。

 

後半の物語は映画化され、
7月下旬から公開予定。
映画のほうも観てみたい。

 

■『海辺の生と死』
島尾ミホ 著(中公文庫)

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さとまる

トラベルライター&エディター。
1965年生まれ、東京在住。
出版社勤務ののち独立して、Sawa-Sawaの屋号で旅行メディアの仕事をしています。

旅行はいつどこへ誰と行っても楽しく、弾丸よりも長く行きたい派。とくに東南アジアや沖縄の高温多湿な気候とボーダーレスな雰囲気が好きです。温泉&ビール付き日帰りハイキングもお気に入り。

2019年4月にブログをリニューアルしました。ときどき覗いてみてくださいね。
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