『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』佐々涼子

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本読みの編集者Tさんのおすすめ。
3.11で壊滅的な被害を受けた製紙工場の
再生を追ったノンフィクションだ。

『紙つなげ!』書影

私も著者と同じく、震災直後、
仕事先の出版社で「紙がない」と聞いて
本や雑誌の紙が東北でつくられていることを知った。

日本の出版用紙の4割を日本製紙が生産しており、
その基幹工場が被災した石巻工場だという。

もし石巻工場の復興がなかったら
紙の供給はなくなり、本も雑誌もつくれず、
出版業界の低迷は加速度を増しただろうし、
私も仕事を失っていたかもしれない。

長年お世話になっている紙が
どこで、どうやってつくられているか、
これまで知らずにいたのは恥ずかしいけれど
いま知ってよかった。

出版用紙を再びつくってくださった方々、
本当にありがとうございます。

本書は震災時の記録としても一読の価値がある。
報道されていない事柄にも触れられていて、
これもいま知ってよかったと思う。

 

■『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』
佐々涼子 著(早川書房)

『紙つなげ!』書影

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さとまる

トラベルライター&エディター。
1965年生まれ、東京在住。
出版社勤務ののち独立して、Sawa-Sawaの屋号で旅行メディアの仕事をしています。

旅行はいつどこへ誰と行っても楽しく、弾丸よりも長く行きたい派。とくに東南アジアや沖縄の高温多湿な気候とボーダーレスな雰囲気が好きです。温泉&ビール付き日帰りハイキングもお気に入り。

2019年4月にブログをリニューアルしました。ときどき覗いてみてくださいね。
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