『恋歌(れんか)』朝井まかて
本ときどき映画
『眩』をブログに上げたら
複数の友人が勧めてくれた本。
恋愛小説でもあり。
歴史小説でもあり。
最初は空き時間に
ちょこちょこ読んでいたのだけれど、
そういう読み方はもったいない気がして
休みの日にじっくり読んだ。
水戸の話だったのかー。
しかも直木賞受賞作。
幕末の水戸藩は
尊皇攘夷の先鋒だったのに、
内紛と粛清を繰り返したせいで
維新後に活躍する人材が残らなかった。
その根底に貧しさがあった、
ということがひしひしと伝わってくる。
水戸藩の幕末は闇の歴史なのだな。
私(水戸出身)も学校では
ほとんど教わった記憶がない。
貧しかったとは聞いていたけれど…。
貧困は心を荒ませ、憎しみを生み、
次の世代へ連鎖していく。
尊皇攘夷の思想といい、
現代にも通じる話じゃない?
物語の舞台は実家の近所。
どの風景も頭の中で映像化できて
臨場感が倍増なのも
個人的なお得感。
■『恋歌』
朝井まかて 著(講談社)
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