『それでも、私は憎まない』イゼルディン・アブエライシュ

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『それでも、私は憎まない』書影

著者はガザ地区の難民キャンプで生まれ育ち、
貧困から苦労して医師になったパレスチナ人である。
イスラエルによる2009年のガザ爆撃で
3人の娘と姪を目の前で失った。

しかし、彼はイスラエル人を憎まない。
ただ「娘たちが最後の犠牲者であってほしい」と願う。
望みはパレスチナ人とイスラエル人の共存であり、
憎しみの矛先を一般化しても意味がないからだ。

ありがたくも平和な時代の日本に生を受けた私には
著者の壮絶な経験は想像を超える。
でも「物事を一般化しない」考え方は
私たちがほかの人や国とつきあう上で参考になる。

私自身、職業柄なのか、一般化するクセがある。
個々の事例に向き合うより、
もやっとまとめるほうが遥かに簡単なのだ。
忘れないように、心に留めておこう。

 

■『それでも、私は憎まない』
イゼルディン・アブエライシュ 著、乾亜希子・清田明宏 訳(亜紀書房)

『それでも、私は憎まない』書影

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さとまる

トラベルライター&エディター。
1965年生まれ、東京在住。
出版社勤務ののち独立して、Sawa-Sawaの屋号で旅行メディアの仕事をしています。

旅行はいつどこへ誰と行っても楽しく、弾丸よりも長く行きたい派。とくに東南アジアや沖縄の高温多湿な気候とボーダーレスな雰囲気が好きです。温泉&ビール付き日帰りハイキングもお気に入り。

2019年4月にブログをリニューアルしました。ときどき覗いてみてくださいね。
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