『知ろうとすること。』早野龍五、糸井重里

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本ときどき映画

福島原発事故についての対談本。

『知ろうとすること。』書影

早野さんは原発が専門ではない物理学者で、
事故の直後から、発表されるデータや
それをグラフ化したものを
事実として淡々とツイートし続け、
現在も福島の支援活動をされている。

あのとき、どのように行動すべきか
(東京から西のほうに避難するとか、
福島産の農産物を食べないとか)
私はまったくノーアイディアで、
混乱した結果、なにもしなかった。

いまも、福島の土地は汚染されていて
戻ってももう住めないんじゃないかと
根拠もないまま、なんとなく感じつつ、
適切な答えを見つけられていない。

そんなもやっとした思いに
本書はひとつの方向性を示してくれる。
見解やイデオロギーではなく、
蓄積されたデータが指標になるということだ。

糸井さんの話の引き出し方も素晴らしく、
対談形式なのでさらっと読みやすい。
新刊だけど新潮文庫で464円で買える。
近い将来に希望が持てる内容なのも救われる。

 

「ほぼ日」の対談はこちら。
早野龍五さんが照らしてくれた地図。

 

■『知ろうとすること。』
早野龍五、糸井重里 著(新潮文庫)

『知ろうとすること。』書影

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さとまる

トラベルライター&エディター。
1965年生まれ、東京在住。
出版社勤務ののち独立して、Sawa-Sawaの屋号で旅行メディアの仕事をしています。

旅行はいつどこへ誰と行っても楽しく、弾丸よりも長く行きたい派。とくに東南アジアや沖縄の高温多湿な気候とボーダーレスな雰囲気が好きです。温泉&ビール付き日帰りハイキングもお気に入り。

2019年4月にブログをリニューアルしました。ときどき覗いてみてくださいね。
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