プラナカンのマレー半島③ シンガポールのショップハウス巡り

マラッカは観光エリアがそう広くないし、
ペナンは大きな街だけれどバスで移動できる。

でも、シンガポールは街がとにかく広いうえに
プラナカンのエリアがいくつかの地区に分かれ、
しかもぜんぜん観光地ではないので
回るのに便利とは言いがたい。

 

ところが、街歩きがいちばん楽しかったのは
意外にもシンガポールだった。
これまで、シンガポール観光はつまんない、
とか言ってすみませんーーー。

決まった観光スポットを回るのではなく
あっついなかをぶらぶら歩くとなると、
シンガポールの歩道と緑の多さに救われる。
歩道と木陰がこんなにありがたいものだったとは…。

 

シンガポールはショップハウスが美しい。
ショップハウスというのは
中国の南部が発祥といわれる長屋スタイルで
1階が店舗、その奥と上階が住居になっている。

チャイナタウンのショップハウス。

イギリス統治時代の条例によって
1階に5フィートの通路が設けられており、
赤道直下の日差しが遮られて涼しい。

ただ、通路に商品を積んだり、ゴミを置く人もいて
(こういう人はどこにでもいますね)
通路が途切れることもしばしば。
(歩く気力が半減する)

これはプラナカンのショップハウス。

 

イギリスが貿易の拠点をマラッカから
シンガポールに移したときに、
貿易商のプラナカンもシンガポールへ移住した。

プラナカンに限って言うと、
マラッカは過去のイメージが強いが
シンガポールは現役の勢いが感じられる。

 

カトン地区のショップハウス。
住居として使われている。

 

有名店「カトン・ラクサ」もショップハウスにある。

ピリッと辛いカレー&ココナッツ味で
仕上げに貝を発酵させたような生臭い物体を投入。
汗をかきながらおいしくいただいた。

作ってくれるのは軽そうなメンズ。

 

エヴァートン・ロードの住宅。
モザイクタイルが爽やか。

 

チャイナタウンのショップハウスは
プラナカンスタイルよりも派手でカラフル。
新旧の住宅が混在する風景がおもしろい。

 

そして、高級住宅街のエメラルド・ヒル。
オーチャード・ロードからすぐなのに
静かで落ち着いている。

いいな〜住みたいな〜と思う家ばかりで、
高級車がよく似合うのだった。

 

シンガポールではカトン地区に泊まっていたので
近くのニョニャ料理レストランへ行ってみた。
「チリ・パディ・ニョニャ」すごーくおいしい!

マダムおすすめの黒いチャーハンは
クルアックというブラックナッツ味。
ちょっと甘くて香ばしい。
手前のイカはハーブ系の黒いソースで和えてある。

どちらも初めて食べる味だった。
マラッカやペナンのニョニャ料理とは違って
なんというか、洗練されている。
また行かなくちゃ〜。

(つづく)

プラナカンのマレー半島② ヘリテージなミュージアムなど

シンガポール、マラッカ、ペナンには
プラナカンの住居を改装したミュージアムや
ヘリテージホテル、レストランなどがあり、
どっぷりとプラナカン・ワールドに浸れる。

 

センスが好みだったのは、マラッカの
「ババ・ニョニャ・ヘリテージ・ミュージアム」。
5〜6人が1グループの英語ガイド付きで
ゆっくり、じっくり見学できた。
(残念ながら中は撮影禁止)

ちなみに、ここは長屋の3ユニットが1軒の家で、
奥行きがあるから内部はかなり広い。

 

こちらは有名なペナンの「ブルー・マンション」
(チョン・ファ・ツィー・マンション)。
一部がホテルになっていて宿泊もできる。

観光客が多そうだしなあ…と思って
泊まるのはやめたのだが、
実際、ひっきりなしに見学者が来ていた。

案内はプラナカン末裔のマダム(右端)。
クセのある英語がぜんぜん聞き取れず、撃沈。

 

ペナンはミュージアムが充実している。
「ペナン・プラナカン・マンション」は
キラキラ成分が過剰で落ち着かないのだが…

併設のジュエリー・ミュージアムがよかった。

ビーズ刺繍は女子の必須科目だそうで、
ビーズがもんのすごい小っちゃくてびっくり!

※シンガポールの店に展示してあった
製作中のビーズ刺繍がこれだもの〜。

不器用な女子は肩身が狭かったことでしょう。
手芸が好きな私はプラナカン希望。

 

オフィシャルな博物館
「ミュージアム&アート・ギャラリー・ペナン」も
プラナカンのコーナーが広い。

ジャワ島のプラナカンはバティック着用。
色柄の取り合わせがシブくて素敵〜。

12日間も続く結婚式の果てに
新婚カップルが初夜を共にするベッドはド派手!

 

シンガポールの「プラナカン・ミュージアム」。
建物はプラナカン建築ではないけれど
展示のバランスがよく、説明書きも詳しい。

ベティとミッキーマウスのコラボレーション。

 

マラッカではヘリテージホテルにも泊まった。

このレポートはまた後ほど。

 

ホテルと同じ通りにあるレストラン「プラナカン」。
中国人グループが多くてうるさいのが難点…。

 

ペナンのおしゃれカフェ「チャイナハウス」は
1階がカフェとレストラン、2階がギャラリー。

プラナカンの建築ではないが
奥行きが100mもあるショップハウスで、
突き当たりは池のある中庭になっている。
のんびりしましたー。

 

それぞれ個性的で見ごたえがあり、
これだけでけっこうお腹いっぱいなのだった。

(つづく)

プラナカンのマレー半島① アジア最強の乙女ワールド

今年の3月下旬〜4月上旬の約2週間、
プラナカンの文化を見にマレー半島を旅した。
早いもので4カ月以上も経ってしまったけれど
記憶がなくなる前に少しずつアップしようっと。

 

プラナカンというのは(ペラナカンともいう)
中国からマレー半島へ移り住んだ男性と
マレー人女性との間に生まれた人たちの子孫。
世界の東西を結ぶ貿易で巨万の富を築き、
自らを”Straits Chinese”(海峡生まれの中国人)と呼んで
独自のライフスタイルを作り上げた。

 

さまざまな人種のミックスなので
その顔立ちはいろいろ。
でも、なんとなく共通の特徴があるのは
育ちのよさから来るオーラゆえか。

ディック・リー氏も名家の出身。

 

男性(ババ)は経済界のリーダーで、
政治家として活躍した人も少なくない。
同時に、社会貢献にも熱心だったらしく、
ノブレス・オブリージュ的な考え方もあったようだ。

女性(ニョニャ)は美しいもの、
美味しいものを貪欲に求め、
精緻な手仕事やインテリア、料理など
あらゆる方面に独特の美意識を発揮した。

 

贅を尽くした建築。

 

華やかなビーズ刺繍に衣服。

 

パステルカラーの食器。

 

上品な味の料理、カラフルなお菓子。

 

現在、プラナカンの文化が残っているのは
シンガポール、マラッカ、ペナン。
まとめて回りたいなあ、と思っていたこの数年間に
マレーシアでもシンガポールでも
観光客向けのミュージアムがオープンして、
ちょうどよいタイミングだったかもしれない。

(つづく)